Scene3 23:10〜 2/2

 何をするでもなく、ファミリーレストランの駐車場に待機していると、やがて付録屋からメールが来た。
 可能性はあるな、と思っていたのだが、とはいえ実際にこうなると気が滅入る。
 メールを開く。
『女がベレッタのことを知っていた』
 顔をしかめた。よくない流れだ。
 メールには画像が添付されている。あの少女で間違いない。
 彼女は付録屋の知人で、住所を知っているという。
 運がいいのか、悪いのか。どちらにしろ楽しくはない。ただでさえ人殺しは好きではないのに、知り合いに似ているとなれば、なおさらだ。
 末尾に書いてある文面を睨む。
『組織に連絡をした方がいいか?』
 それは、おそらく組織にとって最善手だろう。彼らに任せておけば、きっとスピーディに事態を収拾する。これまでがそうだったし、これからも変わらない。だからこそ彼女にとっては、最悪の手だ。
 嘆息し、返事を打つ。
『必要ない。俺が始末する』


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