2013-05-03 Scene20 その、翌日のことだ。 もちろん約束をしていたクラスメイトには責められた。予定をすっぽかしたのだから、仕方のないことだ。 でも、そんなことよりもオレは、窓際の吉川アユミが気になっていた。 うつむいていて、彼女の表情は見えない。 でもなぜだか、吉川が泣いているような気がした。 ――お前は泣くなよ。 こっちまで悲しくなる。 きっと、彼女を泣き止ませるためなら、今度こそ、なんの躊躇いもなく、ゲーム機を売り払えるだろう。 back← 全編 →next back← 黒崎 →next .