Scene21 2/2
ずいぶん悩んで、オレが選んだのはペンダントだった。
白と黒、2つのペンダント。白い方はちょっと変わったハート型で、黒い方は牙のような形をしている。その2つを組み合わせると、一回り大きな、綺麗なハートになるのだ。
オレは白いハートを彼女に贈った。
黒い方は、ずっと持っているつもりだった。
彼女は、泣きながら――本当に気持ちよく泣く奴だ、
「次に会うまで、交換しよ」
そう言った。
オレたちはお互いのペンダントを交換し、約束する。
「いつかさ、毎日ここを、一緒に歩けるようになろう」
彼女は大きく、頷いた。
その約束が叶うことは、もう決してないだろう。
ペンダントだっていつの間にか失くしてしまった。
だが今でも、オレの救いではあり続けている。
彼女が幸福に暮らしている姿を想像する時間だけ、オレは仄かに、安らいでいられる。
To be continued
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