夢を見ていた。
あの公園。
モップに餌をやっている。ふいにモップが、ハムも、オレもそっちのけで遠くへ走ってゆく。顔を上げると、あいつがいる。
吉川は困ったように笑っている。
約束が叶って、オレたちは毎日、並んでこの公園を歩く。
あたたかい夢だ。光に満ちた夢だ。
でも、何か違和感があった。
――ああ、そうだ。
吉川があのペンダントをしていない。
そのことに気づいた瞬間、モップが消えた。
吉川もいなくなっていた。
オレの手には、ハムの代わりに銃が握られている。
back← 全編 →next
back← 黒崎 →next
.