Chips - no.25「黒崎の行動原理」
彼の中には、2つの矛盾した思いがある。
それは「生きてるってことは、それだけで奇跡的に幸福なのさ」という父の言葉を信じようとしている彼と、どこかで否定している彼だ。
生きているだけで幸福だと信じる彼は、自身を生んでくれた両親を無条件で愛することに決めた。その決意通りに生きてきた。彼は、家族が命を落とすような状況は、なんとしてでも避けなければならないと考えている。
だが一方で、「生きていること」以上の幸福を欲する思いも、もちろんある。そして、その感情を黒崎に自覚させたのが、吉川アユミだ。
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