トレインマンの特徴は2つだ。
犯行現場に切符を残すこと。
そして、それらの切符には必ず同じ指紋が付着していること。
指紋こそがトレインマンの本体だともいえる。
だから複数のトレインマンが、模倣犯の可能性も疑われず、まるで一人のキャラクターのように新聞を賑わせる。
組織は共通の指紋がついた切符を、それぞれトレインマンに配る。
切符切りとは、切符に指紋をつける、その役目を持っている者の名だ。
切符切りに意思はいらない。
その切符がどこに行くのかも知る必要はない。
ただ、切符がある場所を――それはトレインマンの手元を確かに通過したのだと証明するスタンプを、ひたすらに押し続ける。
彼はトレインマンにとって、組織にとって、重要な存在だ。
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